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フォロワさんとの企画で「あなたの男士がアクセを持ってきました」的なやつをやっていたのですが、
うちの長義さんの機嫌がだんだん悪く…薄ら笑いが怖くなってきたのでなんか描いてみた。
ジュンブラの話引っ張ってる。
で、何となく話を思いつくままに書いてみる。
―――――――――――――――――
服の襟に何となく手を当てると、硬いものに触れた。
それは青く光る石。
「………」
「……。何かな」
「え」
「…そんなにこちらを見て。君の視線がわからないと思うか?」
この本丸の近侍、山姥切長義は机の上の資料から目はそのままに、動かした手を止めずそう言った。
「ねー、長義」
「だから、何か―――………。全く。終わったのか?」
漸く机上から目をはなし、声のする方――審神者の方へと顔を向けると、椅子は完全にこちらを向いていて。
「休憩休憩。もう大体終わった感じだし、長義も休も?」
この部屋は当然畳の部屋なのだが、審神者が生まれた時代に合わせて審神者のこの机だけは椅子を使った机になっている。
勿論、畳の部屋に椅子を置くのは良しとしない。――が、万屋で固い敷物を見つけそれを敷いている。おそらく他の似たような時代の審神者もそうなのだろう。
「……はぁ…やれやれだね」
ため息をつきながら額に手を当てる長義だが、椅子に掛けたままの審神者の前まで行けば当然のように腕を回してきて、腹辺りに顔をこすり付けるその姿に悪く思うわけがない。
「んー……。いつも同じ目線だからこの状態好きなんだよね」
「……。俺の妻になってからこちら、どうも君は甘え指数がさらに上がっているようだな」
頭に手を置き、髪を梳くように撫でる。
「え、駄目なの」
「いや、駄目ではないし、…ま、君がこういった性格なのは理解している。…が。……それで仕事が疎かになるのは―――」
「大丈夫!ちゃんと期限までには送ってる」
「……はぁ」
確かにそうなのだ。
そして、長義のサポートもあって効率は以前より上がっている。
「まぁ、いいけどね。―――そら、いつまでも俺の腹に甘えてるなよ。では、俺も座らせてくれ。休憩、なんだろう?」
畳に座り休憩時用に、と厨でもらってあった菓子と茶を並べ。
「………。 ね、長義。 …前も、聞いたけどさ」
「…何かな?」
何か言いにくい事を話す時、首――いや、これは襟元なのだろう。その辺りに手を当てる癖がある、ように思う。その言葉を発していいか、と最後の確認のように。
だから長義はちゃんと聞いてやるよと目を合わせた。
「…………」
「…………」
「おい、…黙っていてはわからないぞ」
「いやー…何度も聞くな、とか言われそうで」
「だが、それでも聞こうと思ったのだろう?いいよ、聞くから話してくれ。それから判断する」
「長義、さ」
「…ああ」
「装飾品、嫌いだ、って言ってたじゃん?」
「………。 は?」
なんだ、だから襟元に手を当てていたのか。
言いにくい、と言う事も確かにあるのだろうが、今回は「襟」ではなく、その下の「装飾品」に手を当てていたのかと理解する。
「嫌い、ではないが。苦手なだけかな。身体に触れる無駄なものは避けたい性分でね。…刀を振るうに邪魔になる。それに戦いで落とす可能性もあるからね」
「んー、そっか」
審神者の左手、そこの青い石にふと目が行く。自分の目の様な複雑な青色。
「…指輪も、…櫛を傷つけるかもしれないだろう」
「いや、大丈夫でしょ。私、傷つけてないし」
「可能性、の話かな」
「……それで?何故そこまで俺につけてほしいんだ?」
「…え?」
「言いにくいのにわざわざ言ったのは、…何か理由があっての事だろう?それを聞こう」
「……ぁ」
そこまで聞いてくれるとは思わなかった。いや、この山姥切長義と言う刀剣男士はこうなのだ。
真っ直ぐに向ける目が、少し呆れたようないつもの目線で、でもその奥底は優しくて。
「…あのね、審神者の霊力が籠っているもの、って…ホントに、ホントに少しだけだけど体力回復するんだって。そう、万屋のお店で聞いたんだよね。……あ、長義が神気篭めて私にくれるのと一緒で。私だけのお守り、っていうか」
「……」
先を促し、微かに頷く。
「勿論、長義がくれるものとは比べ物にならないくらい小さな力だとは思うけど、さ」
「……」
「あ、あと! ええと、……長義…にも、指輪、 持って て ほしい かな? って 思っ…て」
段々恥ずかしくなってきたのか、言葉の最後の方は途切れ途切れで、最終的には顔を伏せてしまった。
長義はその頬に手を当て、苦笑しながらまた目線を合わせるようにゆっくりとこちらを向かせる。
「なるほど、人の子の営みと言うモノはそういうものか。…確かにな」
「あ!でも、長義が苦手ならいいよ。そんな無理に付けるもんじゃないしさ」
「……へぇ? 全く。君ときたら…。言った傍からそのように勢いよく訂正されてもねぇ」
「…う。だって、長義ってシンプルな方が好きだし、…とか思ったら…」
「はは。…いいよ。分かった」
「……?」
「では、頂こうか。―――ただ、やはり指輪はなんとなく苦手でね。手袋で擦れるのも良しとはしない。……なら、そうだな」
「?」
「何故左の薬指なのか、と言うのは去年君に渡す時に少し調べたのだけど…、古来「心の臓に繋がっている指だから」…とされていたようだね。まぁ、俺もそれ以上は知らないが」
頬に当てていた手を滑らせ、審神者の左手を取り。
「…ならば」
指を絡め、薬指の青い石に触れ、それからその手を長義は自分の胸に当てる。
「……付喪神の刀剣男士だが、俺たちもここが心臓だという事は変わりないようだ。……なら、君の心臓に繋がる指をここに貰おうか」
「ん、どういう事?」
「君の指の大きさ、それを長い銀の鎖につけて服の中で下げておこう。…そら、それならば俺の一番心臓に近い、という事になるのではないかな…?落とす心配もないだろう」
「え……あ…」
「それではご不満か?」
「う、ううん…そんなことあるわけない……!」
―――「私」を持っている、とはっきりその声で言われてしまえば。
嬉しくて、恥ずかしくて思わずその目の前のシャツに飛び込む。
おそらくその長さは、内番服の首元が緩やかなシャツよりも下で。
それをしているのを知るのも、長義と審神者だけ。
「存分に俺を想い、守ってくれ。…俺だけの主?」
なんか絵と大分違うけどな?(笑)大体なんで斜めっているのか。
内番服だとチェーンが見えるかなー? 位で。
絵の手に持ってる方はジュンブラでもらったやつ。それに引っ掛ける。
とりあえずチェーンは長めにして〜とは描いてたのだけども。
「何度も聞くな、って言われそうで」はこちら
そしてこれから続く話。
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