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たまにつげ櫛が出てくる主と近侍。
そして少し短めにお話。
適当に思いつくまま。
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――――自慢ではないが、 この銀色の髪の色も、指で掬いあげればさらさらと零れ落ちるあまり癖のない髪は美しいと思うし、自分自身も気に入っている。 写しである山姥切国広も蜂蜜のような金色で美しい髪だ、……と長義はひそかに思っている。 「(まぁ、俺の写しを名乗るならそれくらいにはなってもらわないとね。大した手入れなどしてないだろうに保っているのは…まぁ、元が良いからなのだろうな)」 「…当然かな」 なんとなく口に出てしまった。 す、と障子を滑らせて部屋に足を踏み入れる。 「おはよ、長義。何が当然なの?」 着替えこそ終わっているが、櫛を片手にいまだ朝の準備中。 「ああ、おはよう。………別に、大したことではないよ」 そのまま審神者の真後ろに膝をつくと櫛を持つ手を引き継いだ。 「ほら、後ろが梳かれていないよ」 いつもの癖がある髪に手際よく櫛を通していく。 「全く…俺とは違うね。好き放題絡んで…」 「あー…。長義もさ、国広も髪の毛綺麗だよねー。もう、男のくせにーって思うよー。というか男士、髪の毛綺麗なの多いよね。ズル過ぎるんだけど…!」 「だから、こうして直してやっている。…なら良いだろう」 「…ふふー」 「…なんだ? 朝から笑い上戸か?」 「ね、着替える前にちゃんと梳いとけー、って思うでしょ?」 「……。思わないよ。君の事だ。どうせ俺にやってもらうからいいし―――…などと思っているのだろう?」 「あたり!だって長義がやってくれた方が綺麗なんだもん」 「……はぁ、君は…」 わかっている。 それに、こうしているのはもう日課だ。この寸が少し長めの櫛も「長義も持つから」という理由もあるのだ。 「あ、今日の髪留めはこれですよー」 肩越しにひょいと手を出されるとそこには髪留め。 「はいはい」 長義はそれを受け取り、とりあえず自分の膝の上に乗せておく。 金色に白色の花。そして金色の縁に守られた青い石。 万屋街のとある店で見かけて購入したものだった。青い石のみ入れ替えて。 「長義、あまり金色ってイメージ無いけど、…でも多少金色だよね」 「は?……なんだそれは」 「んー。ぱっと目につく色かな。黒とか灰色多いけど、襷とか、あと刀の柄尻と頭にも金色入ってるよね。私、房付きの紐好きだよ」 「へぇ…まぁ、君が思うのならそうなのだろう。全て青にしては味気ないからな…。俺も差し色としては好ましいとは思っているよ。――ああ、この髪留めも君の色の濃い髪に映えるだろう」 「えへへー」 「…気持ちが悪い笑い方をするな。朝から元気だね、全く」 苦笑しながら手はそのままに。 そういえば、今、手にあるこの櫛も大分色が変化してきたと思う。 眩しいくらいの黄色だった櫛は、1年程でその深みが増してきた。 毛先から梳いて、頭の上まで。 最後に上から下までゆっくりと下ろす。 それから受け取った髪留めを膝から拾い上げて、ぱちん、と留めた。 軽く櫛を布でぬぐうといつもの置き場である引き出しの中へ。 一連の流れを目で追い、「ね」と声を掛ける審神者。 「うん?」 「大分色変わったよね」 「ああ、櫛だろう? そうだな」 「刀紋が入ってる小さい方のが古いじゃない?並べるとちょっと違うんだよね。あと感覚も変わったかなー」 「へぇ。 まぁ、だろうね。君のモノになってきたという事なのだろう。…モノというものは大事にしてやれば応えるからな。…まぁ、俺が扱っているから大丈夫だけど…落とすなよ。いくら神気が篭められていると言っても材質が変わるわけではないからね」 「ん。 分かってる。男士が言うとずっしり来るね」 「はは…、なら結構」 「大丈夫―――」 「……」 「大事にするよ。私と長義のだもんね」 「!…。 ああ…」 梳いたばかりの髪を、頭に手を置く、 それからゆっくりと手を下しながら。 ―――ああ、自分の髪も気に入っているが、この手がかかる君の髪も―― 「(…好ましいよ、実にね)」 ゆるく、指に巻き付くその髪をゆっくりと手放して。 「そら、そろそろ長谷部が呼びに来るかな。――――続きは夕方だ」 「うん、ではでは! 本日もよろしくお願いします。長義」 「ああ。よろしく、俺の主」 |
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長義が買ってきた「寸が長い櫛の話」はこちら と こちら
そういえばうちのドールの長義さん、写真で見ると結構髪の毛サラサラに見えるのですが、触ると割と固まってます(笑)。