第14話:想い―



 ――――いつだってそうだった。本当に欲しいものは手に入らなかった。
 両親の温もり、友達。
 ……まあ、今更それらが欲しいなんて思わないけれど。


「……。ロクス?」
 深い色、蒼い瞳がこちらを見つめている。
「何だよ。じっと見つめて…気持ち悪い」
「『キズ』が痛むのですか?」
「…?」
 ――――何の傷だよ。今更目の傷が痛むものか。それはお前も知っているだろ。
 どうも、コイツの言うことは分からない。行動はバカみたいにわかりやすいのに。
 ただ、言う事が分からなくとも、それは自分に素直に向いている、と言う事は……分かる。
「ロクス…心配しないで下さいね」
 そう言ってにこっと笑ってみせる。
「変なヤツだな」

 少し風が揺れた。―――これからの冬の訪れを告げる風。
「冬が過ぎたら、春ですね…それで夏がきて。そやってずーっと巡っていくんですね」
 当たり前の事を。
「その季節が、ちゃんと巡れるように…次の冬の雪も、春の花も見られますように。ねっ、そうですよね〜?」
「(イコール、世界平和か)」
 『人のこと』『他人のため』か?感心するよ。…天使様?


「エスナ」
 そんな僕でも、一つくらい、本当に欲しいものが叶ってもいいだろ?
「はい?」

「……――君の他の勇者は…知らないけれど…」





告白前です。ただそれだけ〜〜。短いなあ〜。
エスナの心情入れようとして失敗。できませんでした。自キャラのくせに生意気な!!(笑)


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