第2話:深い流れ―



「お前、他の勇者に僕の事、言ってないだろう」
 明らかに不機嫌そうな顔。

「…え?話してますよ」
「どこが。この前勇者の一人と会った」
 エスナはぽんっと手を叩いて。
「セシアですね?ああ、丁度近くだったんですよ」
「そういう問題じゃない」ロクスはさらに続ける。
彼女は僕のことは知らないって言ってたぞ。ったく、勇者のうちに入れてないのか?」
「勇者のうちに入れてないなんて。…そんなこと思ってませんよ。……セシアはいい子ですよね」
「僕の事はなんて言ってるんだ?」
 どうもそれが気になるらしい。他と比べられるのを嫌うロクス。だからか、エスナはあまり他の勇者が何処に行って何を解決したか、などは話さない。だが、一方で、街で何をしたやらそんな話は聞く。
 ならばあちらにも何かしら話しているだろうと踏んだのだ。

 エスナは『意外』と言うような顔をして。
「気になるんですか?……ええと、『エクレシアの僧侶の勇者がいます〜』………って」
「…………。お前、そういうのは話してるって言わないんだよ」
 こいつに聞いたのが悪かった、というように頭を抱える。
「私、よくセシアのとこによくお泊りするんですよ。それで…1000年前の戦いの事とかたくさん聞きます。私、全然知らないから…」
 少し表情が変わる。
「ふん。……おい、1000年前?…ああ、その子か…聖母が記憶を譲ったって言う…通りで神秘的な筈だ」
「ええ、セシアは聖母様なんです。あ、でもセシアはセシアですよ。私の大好きな…」



『変わっていませんね…』
 ロクスの態度を見て、彼女は嬉しそうに微笑んだ。
『どういうことだ…?君と会うのは初めてだと思うが』
『ええ、初めてです。………ただ、あなたによく似た人を昔知っていたのです…また会いましょう、ロクス…』
 優しい面影を持つ、少女。



「……懐かしい感じがしないでもない…」
 ディアナに言われた言葉を思い出した。彼女は、自分を見て懐かしいと言っていた。
「ロクス…あなたには仲間がたくさんいますね」
 にっこり笑って。
「なんだそれは…」
 いつもながら、この天使の言うことはよく分からない。
「そのままです。………ロクス。お友達は大事にしましょうね」
 がくっ。
「おい、そういう話なのか、それ」
「………そうじゃないんですか?」
「多分、違うと思うがな。……まあ、いい。今度他の勇者に会ったらちゃーんと話しておけよ」
 1000年前の記憶なんてないロクスには分からないが。
「なんですか、それ」と、笑う。
「口答えするな」
「…ふふ」


 そう笑ったものの。少し不安になる。
「……………」
 心強いの間違いかもしれないが。
 1000年前と同じ人が…記憶を受け継いで、力を受け継いでいるのかと思うと。
 ……この戦いが本当に大きなものであると、再度、思い知らされるから。
「セシア……。聖母様」
 名前を言ってから、首を横に振る。
「……セシア」




なにか間違えてるな、私…これ、1回しか見たことないので…。もうストーリーの順番忘れてる〜。
このとき、天使って知ってるんでしたっけ?1000年前のラファエル様。しかたないやり直すか。
ゲームでも「セシアどうなるんねん」とか思いましたが、
ちゃんとセシアでも話しているので少し良かったです。でも、森に帰ったら祭り上げられるのかなあ…。

NEXT  TOP