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7/7七夕です。そしてサイト誕生日です。おめでとー!!
10年位で数えるのやめたのですがもう何年やってるんだろうかこのサイト。
そんなわけで、思いつくままに話を書く。あいかわらずいちゃついてるだけ。
去年はこちら
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梅雨の晴れ間。 今朝方まで降っていた雨雲は切れ、その日の夜には邪魔をするものは一つもない晴天に恵まれた。 昨年と同様、今年も夕餉には淡い色のついた半透明の菓子が出ていたし、風の音にサラサラと音を立てる笹があり、それに色とりどりの短冊が下がっていた。 * * * * * * * * * * * 「…また、「夫婦円満」か?」 ぱたん、と微かな音を立てて障子が滑り、閉まった。 視線を審神者にやれば手には短冊。 「去年笑われちゃったし違うよー。 まぁ、長義と一緒に居たい、って結局一緒だけど」 「へぇ…?」 この本丸の主の近侍であり、夫でもある刀剣男士―――山姥切長義は審神者の隣にある座布団に腰を下ろした。 なるほど、確かに何か文字が書いてある。そこには自分の名前もちらりと見えた。 「この天気だし、織姫も彦星も会えるんだろうね」 雪見障子の硝子から庭が見える。 まだこの雰囲気を楽しんでいる刀剣男士たちがいるのだろう。 ろうそくの灯りか、ふわりふわりと小さな光が舞っていた。 どこから星なのかわからない程の光。 「…星の命だぞ、一年などあっという間だろう」 「わぁー、そう言う言い方するー。じゃあ私と長義だったらどうすんの」 「は? 織女が君、か? はは、笑わせるね。……何故二人がこうなったのか知っているだろう?」 「…会うことに夢中で怠けたんだっけ?」 「あぁ、そうさせると思うか?この俺が。…織女の父を怒らせる自体になどならないよ。総て認めさせてやるさ」 そ、と隣の頬を撫で上げ、髪を掬い。 「あー……。確かに長義なら…って思うかも」 「…納得されてもな。は、まぁ良い」 「長義、これ」 「うん? あぁ…」 手の短冊を長義に差し出して。 そうだ、昨年言った。「星の神に願うより俺に願え」と。 「分かったよ。預かろう」 長義はそれを受け取ると内番着の上着の内ポケットに仕舞い、そこに手を当てた。 それからパリと空気が振れる。 ゆっくりと天井の灯りが薄暗く落ちていく。 「結界…?」 「まぁ、今の時間に俺やら君を訪ねてくる者はいないだろうが。…この時間を邪魔されたくないんでね」 明るかった部屋は目の前の顔が認識出る程度の暗さになり、余計、外の灯りを感じる。 「…あー…こっち暗いと結構外明るいね」 「まだ騒ぐつもりなのかな、やれやれ。明日に響くというのに…。まぁ、年に一度だと君は言うだろうけども」 「まぁ、ね。…楽しめるうちに楽しんでもらいたいし」 「……。いつどう戦況が変わるかわからないからな…」 パッ、と光が大きくなる。 長義の顔がその光に照らされて、青い瞳は迷うことなくこちらを捉えていた。 「…!」 「……全く。…花火などしていたら星が見えないだろうに…」 ちらり、目線だけ庭に渡して。だがすぐにその目線は戻ってきた。 「…でも、長義の顔は見えるな、って思ったなー、今」 銀の髪から覗く青く鋭い瞳。 ただ、鋭いだけではなく、そこに優しさがあるのも知っている。 「へぇ……」 それから何度か繰り返される一瞬の光。 「………」 「どうした?」 「…あのさ、戦が終わったら、さ。 …刀剣男士と本丸っていう制度が無くなる事とかってあったりする?」 「……。あるだろう。 …まぁ、全ての本丸が解体、という事にはならないだろうが、―――その最低限を残し解体、という可能性は十分にある」 審神者の家系の流れを汲む本丸は勿論残るだろう。そこに「評価」など必要なく。…となれば、特別な出身ではないこの主の本丸は解体対象に限りなく近い。 「(……まぁ、それでも良い。俺にとっては好都合。戦が終わったのならば刀剣男士としての使命からは解放される。あとは俺の良いようにするだけだ…)」 「そっか…。じゃあ皆との大きい笹の方の短冊に「男士の皆が健やかであるように」は書いといてよかった」 「……。 …もし解体される本丸に入ったとしても、君が男士らを憂う必要はない」 「! そういう もん?」 「ああ、鶴丸はそのままふらりと旅にでも出そうだな。はは…。君が刀解を行わなければあとはそれぞれの男士の意思のままだよ」 「……そ、そう」 「―――おい、まだそこまで考えるのは早い。まだ戦いは終わる気配などないのだから。今いる政府の役人やら審神者たちの寿命が尽きても終わっていない可能性の方が高いと思うね。それこそ、審神者の家系、などと言うモノが存在しているほど歴史自体は長いんだ」 「! そう、だよね、…なんだろ。こういう空の夜だからかな」 「………」 「――――ぎ」 すぐ隣の、息の流れさえ感じる距離の長義の肩に顔を押し付け、ゆるゆると腕を回して。 すぅ、と一度息を吸う。 「大丈夫、…そうなっても長義は…。 ……――――私は、この山姥切長義の隣に変わらずいるから…」 「あぁ。君が胸を痛めるような事にはならない。この俺が保証する」 回された腕を辿り、審神者の左の手からゆっくりを指輪を引き抜いた。 「?」 それは長義の瞳の色を持つ、深い色の石。 長義はそれを自分の左手薬指に引っ掛けた。 しなやかな綺麗な長い指。しかし、刀を振るう男の手だ。女性の審神者の指とは当然ながら骨の太さから違う。完全には通らない指輪。 「……その為の誓い、だろう?」 長義はそのまま真後ろに上体を倒し、審神者を見上げる。畳に銀色の髪がさらりと落ちた。 「うまくやるさ。…神隠しだのなんだの言われようとね。…俺は、貴女の願いを叶えてやらなければ」 「えー…「長義の願い」でもなきゃ嫌だなぁ、それ」 笑いながら言った審神者の言葉に、口角を上げて答える。 「なるほど、確かにそうだ。――――ならば」 その手は審神者の方を、求めるように導くように差し出され。 「こちらに」 「! ……んー……」 「おや、…何を戸惑うことがある?」 「そうじゃな、くて。…それって「今の」お願いでしょ?」 「あぁ…?」 思わず目線を逸らした審神者に長義はわざと声を上げながら笑い。 「なんだそんな事か。…あまり俺を構うとどうなるか」 こちらを真っ直ぐと捉える深い青い瞳。 外からの淡い光で余計鋭く光る。少し挑戦的な目、眉をくいと上げて。 「全く。…互い、心臓を結び付けたと言うに今更何を言っているのやら…」 「ふふ、長義の、そういう言い方好き」 「はいはい…。全く俺の妻は我儘だね」 「だってさ、長義かっこいいし、…その声で…私を呼んで欲しい、んだよね」 「なんだそれは。俺の容姿などここに来た頃から変わりはないだろう?」 「まぁ、いいじゃん…」 「そら…、妙な理由を付けているくらいならば、――――おいで、主」 差し出された手に指を絡め、横になった長義の胸、顔近くに影が落ちる。 重なった体温を引き寄せ、影の代わりに胸に重みがかかった。 「――――織」 「ん …織姫は会えたと思う?」 長義の手が、髪をゆっくりと梳いている。 「…さぁ?他人の事など興味はないかな。…ただ、皆が願いを下げ、その代わりに空を見上げて晴れを願うんだ。…まぁ、悪い結果にはならないよ」 「あー…互いにお願いしてるようなもんなのかな。じゃあちょっとお願い事多くても星の神様たちは想定内なのかも」 大きく開いた青いシャツの胸に手と耳を置いて、とくんとくんと響く長義の音を聞きながら。 「はは、なるほど。そう言う考えもあるか。 ………ならば、君の男士らも変わらず健やかであるだろうね」 「よかった」 長義は暗い色の髪に顔を埋め、名を囁く。 温かい息が髪を振るわせて。 「…ん。 ねぇ、長義」 「……」 「来年も、その次もさ…。晴れとか雨とか何とかって、…そういうのこの場所で言いたいなぁ」 「……あぁ」 見上げた審神者に見えるようにもう一度、名を口にする。それからまた指を絡めて心臓に繋がる指に輪を通して。 その動作を見ながら、小さく音を立てて長義の胸元に唇を当てた。 「こういうの、好き」 「おや……君もしてほしいのならば、してやろうか」 「っ……長義が したいなら」 「へぇ…? いいのかな」 長義はそう言いながら身体を少しずらし、審神者の頭を腕に抱き、ゆっくりと座布団に下ろした。 先程までは畳が視界にあったが、緩やかに動かされいつもの天井が見える。 少しだけ襟元に風が当たったと思えば、直ぐに髪と体温が下りて来て。 「ん ッ」 わざと音がするように、そこに吸い付く。濡れた素肌は一瞬、空気に触れてひやりとして。 「――――ぎ…ぃ」 「…あぁ、良いな……」 夏の暑さではない、熱を帯び始めた身体と、銀の髪に触れてくる手と。息交じりに短く、呼ばれる名。 それに気を良くしたのか、長義は口角を上げ唇で釦を外していく。 「…言っただろう…?この時間を邪魔されたくない、と」 「ちょう、ぎ…」 「だから、だよ。 …星の神の介入など必要ない。…君の願いも俺の願いも、俺が叶えれば問題ないのだから…」 「…ね、長義」 「何かな」 「好き…」 畳に投げ出された手に手を重ね、指を絡ませ。 体温がとけ合う。 「あぁ…知っている」 |
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