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刀剣乱舞 山姥切長義


こちらの描き直し。

なんとなく描き直してみましたがやはり微妙な気分なようです。
花丸くじのぬいぐるみでかくてかわいいですよね。もっとでかくていいのですけども。


というわけで考えながら書く小ネタ小説。ちょっと短めに。
前回のを読んでからどうぞ(笑)
――――――――――――――――――――――――――

 去年、この本丸の審神者は就任5周年だった。
 その時に乱藤四郎から『とある刀剣男士をモデルにしたというぬいぐるみ』をお祝いとして渡された。

「………」
 その「モデル」となった刀剣男士―――山姥切長義は微妙、としか言えない顔でそれを眺めていた。

 これはその続きの話。




「主、畳に転がっていてはそのうち肩が痛くなるよ」
「ぅ…  んー……」

 夕食後の風呂までの少しばかりの自由な時間。
 長義は目を通していた書をパタン、と閉じると少し離れたところで転がっている審神者に声を掛けた。
「…なんだ、静かだと思ったら寝ているのか? 全く手がかかるね。子供でもここまでじゃないと思うけど」
 長義に背を向けていたその身体を覗き込む。
 腕は何かを抱きかかえるように前へと。

「…俺……か、これは」

 その胸にしっかりと抱きしめられていたのは例のぬいぐるみだった。
「………」
 正直に言えば、面白くはない。
 他の刀剣男士からの手作りの贈り物、だ。
 あれから聞いたのだが、どうやら贈り物を作ろうとしていた乱が薬研に相談をしたらしい。その回答がこれだ「長義を作ってやったら大将、多分ずっと抱いてるぜ?」と。

「(何だその理由は…そんなことで俺を使わないでもらいたいね)」
 そしてその通りになったわけだが。面白くはないし、…しかし、かといって十割面白くないわけではない。
 自分――「山姥切長義」の姿が元だと言われれば言葉には力がある。その物はそれになる。しかも付喪神が作ったものとくれば――――。
「はあっ……。しかし、君もぬいぐるみを抱えて寝るような齢ではないだろうに…」
 その背に自分の外套を掛けてやる。
 少し暖かく感じたのか、縮こまっていた肩が緩やかに動いた。


「―――と、そろそろ起こすか」
 壁の時計は審神者の為に風呂を開けている時間の十分ほど前を指していた。
「主、もう時間だ。風呂に入りそびれるぞ」

「んー…     …は。………うわ、寝てた…」
「ああ、それはそれは良く、ね」
 ゆるゆる起き上がって腕からころりとぬいぐるみが落ちた…のをすぐに拾い上げて膝に乗せる。
「……随分と気に入ってるものだね」
「ん、ああ」
 ぽん、と膝の上の頭を撫でる様にして。
「折角作ってもらったもんだし。それに…これ長義だよーって言われたらさ」
「……。はは、そんな風に抱かずとも、君の目の前に本物が居るんだけど?」
 意地悪を言うように片眉を上げて。
「でも、…知ってるけど」
「何がだ?」
「長義、このぬいぐるみが転がってる時とか椅子に戻してくれたりとか、頭小突いてるときあるの」
「………ッ…」
 確かに、そんなこともあったかもしれない。
 それは仕方ないだろう、とも思う。自分に―――この本丸の山姥切長義だと言われて作られたものだ。
 服を、髪型を模し。
 もう半年以上もこの部屋にあれば妙な愛着も沸く。

「長義」
 ぬいぐるみと審神者の感触が同時。長義に回された腕は二人の身体でぬいぐるみを挟んで。
「……全く…」
 目を逸らし息をつく。
 それからぬいぐるみをつまみ上げて。

「まぁ仕方ない。俺らしくもないからね。…だけど―――」
 そう言えは続きを聞くために顔を上げる。
 ほぼ高さがない距離で視線が混ざる。
「だけ―――――ど?     ンッ」

 軽く、だったが。
 言葉の続きを遮られた。

「長義、なん…いきなり……」
「別に、特に理由などないけども、俺がそうしたかっただけかな。君に触れるのに理由が必要と言う訳でもないだろう。……―――あぁ、そうだな」
「…?」
「こいつを、俺の神気で満たそうか。……君がこれ以外を抱きしめないようにねぇ」

「……はい?」
「おや、これを「この俺」の一部にしたいんだろう?」



* * * * * * *


「まさかあそこまでするとは思わなかったよー。まーあるじさんに大事にされてるならなんでもいいんだけどねー」
「そうか?俺はすると思っていたけどなぁ」

 後日、乱と薬研は明らかに雰囲気が変わったそのぬいぐるみを審神者部屋で見かけて…、

「というか圧、強くない?すっごい長義さんじゃんこれー!こっわいんだけど〜!」
「ぬいぐるみの可愛い顔が台無しだな、こりゃ」
 と腹を抱えて笑ったとか何とか。





お昼寝の共。 笑。
あの花丸のぬいぐるみ、髪の造形がフェルトじゃないから劣化しなくていいですよね。


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