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山姥切長義 刀さに

こちらの描き直し。

刀剣男士に膝枕してもらう。

ちょっと短めにお話↓

――――――――――――――――――――――


 縁側の硝子戸が全開になっている。
 昼までの雨が上がり、湿り気を帯びてはいるが涼やかな風がこちらに吹き抜けてくる。
 陽が傾き始めた頃のとある一室。部屋には頁を繰る僅かな音と、かち、かち、と静かに時を刻む時計の音だけが漂って。

「……」
 書を片手に銀髪の刀剣男士―――山姥切長義は暫くの間、文字の世界に没頭していた。
 西日が障子を透かし始め部屋の中に蜂蜜のような色を落としていく。
「全く…」
 ぱたん、と表紙を閉じる。視界の隅で先程からごろごろと転がっているのはこの本丸の主だ。
「退屈なのか? だとしても転がる以外にあるだろう」
「……お、興味ある?なんだと思う?」
「は? 転がっているだけだろう。まさか意味があるのか?」
「これはどこかの界隈で今何となく有名な転がる体操なんだよー」
「……妙な嘘はつくな。…全く馬鹿な事を」

 息をつき、長義は膝を軽く叩いた。
「…邪魔をしないのなら。どうぞ?」
「!」
 ぱっと顔が明るくなって。そのまま匍匐前進だか「今有名の転がる体操」をしながら向かってきて、膝に頭を乗せる。
 長義の腹に顔を埋めて…それから少し顔を上げ、目線だけ上に。青い瞳と栗色の瞳、視線が絡まる。
「……やれやれ…。 へぇ…転がる体操とやらはもういいのか?」
「だってそんな体操ないもん」
「はは…」
 傍らの文机に書を置き、長義は自分の膝に散らばる濃い色の髪をゆっくりと指で掬いあげた。
「……? 本、読まないの?」
「うん? まぁ…薄暗くなってきたからな」
 適当に理由を付けたが、それ以上何も言わず。
 くるりと巻き付けてはさらりと解き、それを何となく繰り返す。部屋に落ちる光の加減で、光と闇が交差する。
 長義の銀の髪とは対照的な、これから訪れる夜を纏っているような濃い色の髪。

「長義に…髪触られるの好き…」
「おや、髪だけか?」
「またそう言う事言うー…」
「はは。…これだけ俺の神気を纏わせていればねぇ…―――俺が髪の先に触れただけで伝わるだろう」
 内番服の上着を握ったのだろう、微かに引っ張られる感覚がして長義は苦笑した。

 その間もするりと濃い髪が絡め取られ、軽く巻きつけては、落ちる。その単調で―――優しい感触が心地よい微睡みを連れてくる。
「……んー」
 く、と引っ張られた上着の手が重力に従って少し重く。
「…眠いのなら、このままで良いよ。 急ぎの務めもないからな」
 この声は甘えつつも眠い時の声だ。
「…ちょ、  …ぎ」
「別に、無理をして起きている必要もないだろう」
 薄目を開けながらも見上げてくるその瞳にまた息を吐きながら笑う。


「……」
 夕暮れの光に照らされる濃い色の髪と、長義のさらりとした銀色の髪が眠気と戦うように細く薄眼を開けた栗色の瞳にゆらりと揺らめく。

 普段、立っている時にここまでの距離感で見下ろされることはまずない。 身の丈の差が2寸もないからだ。
 それもあってか、こうして長義の身を委ね、その体温を感じていると不思議なほどの安らぎがあって。―――だから、にへら、と頬が緩んでしまった。

「――。 …なんだ?…そんなに笑って」
 ふと真名を呼ばれ、一瞬、眠気が吹き飛び再度見上げた。
「…ふふ……。幸せだなぁ、…って思っただけだよ」
「へぇ…?それはまた」
 長義は目を伏せその視線を審神者だけに向けた。
 彼特有の、少し息交じりの声。それでもう一度名を呼ぶ。

「なら、夕餉の支度が整うまで、…まぁ…こうしていてあげようか」
 掠れ、どこか甘い響きを持ちながら。
 その声に目を閉じて、再度微睡む。




そこまで夕方でもない気もするな、絵が。


そう言えば妹氏に「うちでいちゃつくな」と言われたな(背景)。

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