『12年前の聖王国の教皇』 ――始めて見たとき、その感覚に驚いたんだ。 他の誰にもない…不思議な――…。 「ロクス・ラス・フロレスですか…?よかった、会えました。あのですね、私……」 にっこり笑って。 「……天使…?バカ、いるわけ…ないだろ…」
――ひょい。 「…?…や…ですうっ…ロクス取ってください〜!」 「同じ名前同士、仲良くしろよ。かわいーじゃんさ」 「でも、飛び跳ねるんですッ、怖いですよお〜」 「お前だって同じようなもんだろ」 「……む〜…ってなんでカエルに私の名前つけてるんですかっ!う、きゃっ!!きゃ〜!フロリンダ助けてください〜」 エスナの翼の上に乗っている緑のカエルは頭に移動したりして好き勝手やっていた。ロクスはそれをみて腹を抱えて笑う。 「ふえ〜…」 「ああ〜天使様あ、泣いちゃだめですう」 「泣いてないですっ!」 「ロクス様、天使様泣かしちゃだめですよう〜」 「エスナが勝手に泣いてるんだろ」 「泣いてないですってばっ!もういいです…他の勇者のところ行きますから…。任務もクライヴとかフェインにお願いしますから…」 ふわりとその足が浮く。 「(むっ…)」 それを聞いてロクスのいらいらメーターがアップした。 「…わかったよ!じゃあ、もう来るなよ。…君が頼んできてもなにもしてやらないからな」 「え〜それは困りますっ!だってロクス……」 ロクスは今の状態では見上げた格好になるエスナに指をつきつけた。 「じゃ、帰らないんだなっ。よし、おもしろいところ、連れてってやるよ」 「…おいしいですか?お酒」 「……別に。君には早いよ。飲むなよ」 「それ〜ぶどうのジュースですよう〜、天使様も飲みますかあ?」 「は〜い。いただきます〜」 「…おい、お前ら…僕の金で飲む気じゃないだろうな」 「でも、あそこの人が今日はおごってくれるって言ってましたよ?」 ロクスはそっちに視線をやった。 自分より少し年上だろうか…。でもいかにも不良と言った感じ。 「……ま、タダならいいか」 難しいことは考えないようにした。 ――そんなこんなでアルカヤの夜は過ぎていった。
「副教皇様に怒られてしまいますねえ…こんなに遅くなってしまいました」 「君も一緒に怒られろよ!いつも僕ばっか…」 「でも私、他の人には見えませんから」 「逃げたな…ッ」 |
……こんな勇者がいたらあなたはどうしますか(爆)。 カエル乗っける勇者…。 挿絵 BACK |