とある勇者の物語



 決して『片田舎』じゃなかった。
 何百年も同じ町並み。活気のある市場、その中で生活する人たち。
 町の中心には、この都の名前にもなった大聖堂―――…。


「いやだ」
 銀髪の青年はいかにも機嫌が悪くしました…と言うような顔を作って速攻返事をした。
「勇者なんて僕のガラじゃないでしょう」
「何を言うか勇者よ」
「…………あんたら、僕を教皇にしたかったんじゃなかったのか」
「それはそれ、これはこれだ。今まで私はお前が勇者になることを願って育ててきた」

 ――副教皇の思い出話が始まった。
 幼い彼を引きとって、勉強をさせる合間、修行だと言って大岩と追い駆けっこさせたこと。メケメケ(謎)に引っ張らせたこと。

「それは今までこの日の為にと…。いいか、ロクスよ。…私が若い頃は魔石はタダの石だった。今それが狙われているッ…!」
「……………」
「幸せだと思え!」
「幸せなものか…!(人の話を聞いていないな…このジジイ…)」
「ロクス」
 少し声を落ち着かせて。このほうがずっとずっしり来る時がある。
「…少し頭を冷やせ。旅に出て世界を見て来い」
「……………」
「今朝ほど、大天使様よりお告げがあった。…お前を勇者にしろと」
「さっきと言ってること違うぞ…」
 ロクスはため息をつくと副教皇から目をそらした。彼が熱弁を振るっている間に逃げようと思って…。

 つづく(嘘)。


 次回予告――??
「あ〜…セシア〜…また失敗してしまいました〜…」
「未だにクッキー一つも作れないのっ…?」




元ネタ分かった人いますか?
メケメケです。友達に大爆笑されました。
…ってか、まんまじゃんさ。

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