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壁ドンじゃないけどそんな感じ?

サイトアップついでに話を書こうかな〜 とか宣言してあったので思いつくままに書いてみる。


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 ――――多分、いや、絶対、こんな事を言ったら思いっきり呆れられるだろう。
「(呆れられるどころか暫く口利いてくれなくなるかも)」

 君は俺が信じられないのか、と。

 ただ、その後に必ず「まぁ、…人の子とはそう言う……。いや、君がそうだとは理解しているけどねぇ」と続くのだが。
 それは「自分が「刀剣男士」であり「付喪神」だからこそ。「人」と違うと理解しているから」と。
「(すごく、歩み寄ってくれてるんだよね)」




「……主。何か言いたい事があるのなら言ってくれて構わないよ」
 突然、横からの声。
 声の主、山姥切長義はちらりと審神者に目線を渡し。
「!??」
 本丸内の廊下を肩を並べて歩いていた。それだけだった、筈。
「んー…なんかわかった?」
「……。なんとなく、だが」


 本丸内だが、障子を開ける時は長義が先に手を伸ばす。
 す、と微かな音を立て横に滑った。

「…なんだ? あぁ政府施設から戻ってからだな。……また何か無駄な噂話でも?」
「別に、変な話は聞いてないよ」
「ふぅん」
「……」
 審神者も長義に続いて部屋に足を踏み入れ、無意識の後ろ手で障子を閉める。
 だが、本当に少し、二分ほど細く開いたままの障子に長義は手を伸ばし、パタンと完全に閉めた。

 そう、先程まで政府施設に行っていた。
 要件は滞りなく済み、そのまま本丸に戻って軽い服装に着替えた後、だ。

「……」
「長義?」

 途端。パリと空気が振れた。

「え、結界?…なんで?」
 本丸は見た目は完全に日本家屋の作りだ。だが、曖昧に仕切った建物の構造では話し声などは外に漏れてしまう。
 勿論、今の技術をもってすれば完全遮音の建具を作ることも可能だろう。だが、「その辺り」は良しとしない刀剣男士も多い。
 だから完全に障子などを閉めている場合に限り、遮音や人払いの結界を張る事ができるのだ。

「……君が黙っているからだよ。 そら、今は刀剣男士と主ではない。夫婦として話をしようか」
「別にそんなんないけど。んー…なんか聞いてもしょうがない事〜…ってか」
「いつもこうだな。君は」
 ひらり、手を振り。
「…いい加減学習してくれ。…俺に隠し事をしてもどうせ分かる事。なら、話が大事になる前に、…気分が悪くなる前に口を開け」
 いつもの座布団に腰を下ろし、長義は目の前の座布団をどうぞ、と手を向けた。
「いつもこうだよね」
「それは毎度妙な事で頭を悩ませているからだよ」
 言葉こそ淡々としているが、その声の響きは優しく。目の前に来たその頬に指を滑らせ。

「じゃあ、言うけど」
「どうぞ」
「……。 んー   うーん…?」
「………。あぁ、わかったわかった…」
 長義は額に手を当て、はぁ、と息をついて。
「え、私、うーんしか言ってないけど!?」
「……まぁ…ね」

 ――――戦の事でも本丸運営の事でもない。
 それは元々予想は付いている。そのような内容だとしたら審神者として隠さないし、何よりそれをいち早く察知できる自信はある。

「(だから、かな。―――わからないとすれば女人のそういった感情、だ)」
 ――――俺は人ではないからね。
 彼女の事は全て理解しよう、できる、…と言っても、限界はある。
 俺が些末な事だと感じている事が人の子にはそうではない事があるのだし、性格差、性差もある。

 けれど「今」は恐らく俺の事だ。
 そう、今日は政府施設でいつもよりたくさんの人の子、近侍を連れた審神者とすれ違った。

 「そこ」だろう。



「本当に馬鹿なのかな、君は」
「えーなんかまた馬鹿って言われたー…」
「信じられないのか、とは言わない、が……」
「!」


「俺は、貴女以外の人の子には全く興味は持てない」

 脇息に肘を置き。
 手の甲は頬につけ、頬杖のようにして審神者に視線を渡す。

「皆同じ顔に見える――とまでは言わないが、「情報」としか見ていないよ。その先の個々の感情など俺にとってはどうでもいい事。まぁ、無駄な感情がない分、仕事には適しているかもな」

 その動作で前髪が少し揺れ、髪の間から見える瞳、これの効果をわかっているのだろうか、この刀剣男士は。
 複雑な青を持つ瞳は射るように、だが、優しく捉えて離さない。

 無意識に、薬指の指輪の青色の誕生石に触れる指。それを視界の隅に捉え、長義は唇の端をく、と上げた。
「(それでいい。…貴女の心臓に結ばれる指には俺の瞳がある)」


「何度でも伝えてあげようか。……何度も言えば言葉の重みは薄れる、という話もあるけどねぇ。…貴女は言わないとわからない鈍感サン、だからな」
「むー……馬鹿にしてる…」
「ほら、すぐにそう膨れる。はは。…そう言う所だよ。―――重みが薄れる等そんな筈はないかな。この俺の声なのだから」
「………」
「何だ?」
「…すごい自信。 ―――だけどさ……でも、でも…。 長義にそう 言って もらえる のは………嬉しい かな…」
 手を伸ばし、長義のその銀色の髪に触れ、
 しっかりとした首に廻る銀色の鎖を少し持ち上げた。ちゃり、と音がして。
「…長義の声と、心臓と、一番近いの私」
「! …あぁ…。そうだな」



 パリ、もう一度空気が振れた。

「? あれ、解いた?」
「ああ、もう隠す事などないだろう。それに、昼間から部屋に籠っていてはまたなんだかんだと外野が五月蠅いからねぇ」
 言いながら立ち上がり、少し肩を回すようにしてから障子を開けた。
 障子紙に遮られていた外の強い光が帯を作って降りてくる。

 部屋の外に出るのかと思い審神者も立ち上がりその後をついて――――


「ちょう ぎ?」
 外の光を背負った長義の顔は影を作って。
 それなのに青い瞳はいつもより光を宿し。

 障子戸を腕で押さえ、少し屈んだ長義は審神者に上目遣いをするように。
「あぁ、なるほど。……良いな」
「なに が?」
「ほんの少し屈んだだけでこの目線、か。君の瞳を見上げてみるのも面白い」
「! なにそれ!?」
 元々、山姥切長義は目元が鋭い。だから余計感じるのか、見上げられた事でその鋭さは増している気がする。
「……へぇ? ま、変化が楽しめて良いだろう」
「……?  ! あ」

 あ、と気が付いたように声を上げたから、長義は息をついた。
「漸く気が付いたか」
「え、うん。……というか長義もわかってたんだ」
「理解したと最初に言ったが?」
「は?あの時!?早くない!?」
「……。 ――――…俺はね、主」
 障子戸から腕を離し、身体を起こして。
 そうすればいつもの目線。ほんの少し低いだけの主の目の位置。
「…前も言ったかな。貴女と同じような目線で歩めるのは良いと思う。…常に同じ世界を見られるんだ。俺にとっては理想そのものだよ」
「……ッ」
「だから、他の女人を羨む事はない。はっきり言うよ」
「長 義…。……あぁ…あの。……男の人、はね、そっちのほうが良いのかなぁーとか…守ってあげたい的な… とか、思ったり なんだりして…」
 手を開いたり握ったり、指を交差させ、言葉にしたくなかったのか、段々と声が小さくなる。
「は? 何を馬鹿な。何故背丈で守ってやりたくなるのかな。…はぁ、全く、俺の妻は…可愛いね。そのような事で俺の機嫌を取るような事をして。……この俺、山姥切長義の隣に居て同じ世界を見てくれればそれで良い」

「……はっ…」
「おや、どうかしたかな」
「…は いぃ……」
「…あぁ」


「ってズルいんだけど!!なんでそういつもいつも普通なわけ!?「俺がそういう刀だからかな」はナシだよ」
「はは、泣いた烏がもう笑った、か。全く君は変わらないね。面白いからそのままでいてくれ」
「えぇー…!?」
「………。あぁ……」

 廊下を歩く。数歩先に出た長義ははたと足を止め、振り向き。

 目の前を掠める銀色の髪は、太陽の光でほぼ白くて。
 ふわりと影を作り薄暗くなった視界いっぱいに見慣れた顔。

「―――――ン っ」
 複雑な青色を持つ瞳が、視界いっぱいで滲む。
「……ふ…。 全く。 いつもの事だろうにこの反応、面白いね」
 真っ赤に染まった頬の横を流れる髪を指で掬い、くるりと巻き付け。
「長 義……」
 髪に触れる手を追うように、そこに手を重ねる。


「…あぁ、近い方が…こう、しやすいだろう?」
 重ねられた手をゆっくりと返して、長義は審神者の手を包み込むように取り。
 それから自分の瞳の色と同じ石にもう一度唇を付けた。



――――――――――――――――――

なんかちょっと屈んでるから身長差。
数センチでもだいぶ違うんだけどね。ほんの少し顔を上げるだけで合う視線の高さ。


そういえば、数人の方から「かりなさんちの長義くん、えっちすぎる」って言われたんですが!!
あと長義界隈には結構流れてるとも聞いたんですがそうなんですか!?(まぁドールとかやってるからかなぁ…)
ネット世界の引きこもりなのでさっぱりわからないのですが…!

もうその辺聞きたいので↓にコメント下さい(笑)。WEB拍手って匿名投稿できるからさァ!!! 太字にすんな(笑)


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