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「君は背丈があるからな。俺の後ろでも肩越しに前が見えるからいいだろう」
とか何とか結構長義の背後霊化している主。

最近は長義のフードに顔を突っ込むのがトレンド(笑)。




そして話を書いてみる。
なんか演練あたりのあれは勝手な想像。
―――――――――――――――――――――

「君は話し好きだからな。別に審神者同士で話してるのならいいよ。情報交換もあるだろう。 でも、…ま、あとはいいか」

 政府直轄の演練場。
 そこは他の本丸の審神者や男士と会える数少ない場所だ。
「あと?」
「……。演練が終わったらすぐに戻る。審神者以外とあまり交流を持つものじゃないよ」
「はいはーい、頑張ってねうちの第一部隊」
「行ってきます」
「行ってくるぜ!」
「じゃね!あるじさん!」

「ああ…」


 少し呆れたように息をつき、抜刀する。

「――――さぁ、始めようか」





「お帰りー長義。他の刀は広間の方?」

「ああ。成果は上々。……と、そちらの審神者かな。うちの主が世話になったね」
 審神者用控えになっている長椅子に三人で腰かけていた。
 少し時代が違う審神者だろうか、服装が違う。しかし、話はあったようで、用意されていた茶菓子を食べながら和やかな空気がながれていた。
「(………。 いや、そこではない)」
 三人、つまり。審神者二人にあちらの近侍、だ。
 長義は社交辞令に挨拶はし、表情は柔らかく笑った顔を張り付けてはいたが、内心…。

「……では、こちらは失礼するよ」
「そうですね。ありがとうございました」
 そう挨拶をかわし、ぺこり、と頭を下げるとあちらの審神者と近侍は転送ゲートの間へと消えていった。

「あっちの近侍は初期刀なのかな」
「ああ、今日は初期刀であろう男士が多いな…」
「たまたまかな」
「だろうね。…ではここでの予定は終わったんだ。俺たちも戻るよ」
 長義は長椅子に座ったままだった審神者に手を差し伸べる。素直にその手を取り、立ち上がると片方の手でスカートのしわを伸ばすようにぱんぱん、と叩いた。

「………」
 近侍以外の男士が集まっている広間へ向かう。近づくごとに聞こえる声。たくさんの刀剣男士が控えているのだろう。
「――――主、君はここにいて。彼らを呼んでくるから。いいね」
「え、私も行くよ」
「駄目だ」

 こうなるを有無を言わさず、の所がある。ここで私も私も、と言う意味もないので素直に待つことにした。暫くの後、いつもの面々が扉から出てきた。
 それから――――そう、特に問題もなく転送ゲートに向い、本丸に戻ったのだが……。







「(重…、なんでだこれ)」

 机に両肘をつき、息をつく。
 特に体調も悪くないはずだ。自慢ではないが身体が弱いわけでもない。
 むー…と妙な声をあげながら畳に倒れこみゴロゴロと。
 そういえば演練相手の審神者を送り出した時も、何故か椅子から立ち上がれなかった、気がする。

「はぁっ。 ………やはりね。全く期待を裏切らないな、君は」
 軽い服装に着替え、審神者部屋に戻ってきた長義はその主の情けない姿に息をついた。
「あー、長義ー」
「少し、今日はあちらに長く居すぎたし。まあ仕方ないとは思っていたけどね」
「?」
「…あちらの男士と長く居すぎだよ」
「あ! あ〜……そっか」
 髪を手櫛で梳き、くしゃくしゃとしながらその長義の態度で思い出す。





 ――――それは、長義が来たばかりの頃だった。

「霊力やら神気が合わないと身体が重く感じるんだよ。…まぁ別に病気ではないから安心するといい。長くは続かないから。
だけど、あまりあちらの男士と共に居るのはお勧めしないね。――特に初期刀の近侍。彼らは審神者との繋がりが深くなっている可能性が高いんだ」

 たまたま演練相手の審神者とあちらの近侍と今日のように話が盛り上がった日。
 同じように身体が重くなったのだった。当時はまだ近侍が長義でもなかったため先に注意も出来なかったのだった。

 様々な本丸の男士と会う事を職業にしている人間や審神者もいる(政府の職員や万屋の人間など)。…が、その場合、政府からの札を所持しているという。
 では審神者に全員その札を配ればいい、と言う訳にもいかないそうだ。絶対的な枚数が足りないのもあるが、近侍の男士が近くに居ればその力は相殺できるからそこまで重要視されていないからだ。





 長義は審神者の横に腰を下ろすと少し乱れた髪を梳いてやる。
 頭に感じる心地よい刺激にふーっと意識を失いそうになるが、堪えて伸びをしながら半身を起こした。
「あー…すっかり忘れてた…。あの審神者の子、話し面白くって」
「……まぁ、少しの辛抱だ」
「! …あ、あの大広間に私を入れなかったのも、他の男士に当てられないため…?」
「………。どうだかね」
 ふっ、と息をついて少し視線を逸らす。
「ありがと、長義」
「……いや」

「(くそ…)」
 目を細める。あの時、もっと早くに主の元に戻れていたら、あちらの近侍の気に当てられることもなかった。―――と。
「(政府の用など、知らぬを通せばよかったな…)」
 演練後、他の男士たちを広間に残し、審神者を迎えに行くとき、政府の役人に掴まってしまい、そこで用を頼まれたのだった。
 時間にして数分で終わるものだったが。


「っ…」
 つん、と後ろに引っ張られた感覚がして、長義は視線を渡した。
「主。…服が伸びるんだけど」
「…んー……いいじゃないー…」
「いいけどね。もう慣れた」
 何度か、こうされている。
 長義の内番服にはフードがついている。そこに顔を突っ込みたくなるのが最近の審神者の中での流行りらしい。
 当初は後ろから引っ張られる独特の感覚に妙な気がしていたが。
「ま、君が落ち着くならそれでもいいよ。存分に突っ込んでくれ」
「……んー…」
 おずおずと、身体の前に腕が回ってくる。長義はその手に手を重ねてくす、と笑った。
 確かに、近侍――審神者と関係が深い男士と共に居たほうが体力の回復も早いのは確かだ。この様にべったりと触れ合う必要はないのだが。

「…暫く、こうしていれば霊力も落ち着くだろう」
「なんか、私いつも長義の背中にくっついてるね」
「……ああ、俺がそうさせてるからねえ」
 ぴったりとくっついているからか、笑うと少し身体が揺れるのがわかる。
「ふふ、「背丈あるから俺の後ろでも見えるだろう〜」だっけ。……加州なんて「ずるいー俺も主を後ろにかばいたいー」って言ってるんだよ」
「………ふぅん。勿論、断るんだろう?」
 少し、身体を回して。
「あは、どーかなぁ?」

「へえ? …主。あまり俺を試すようなことを言うと――――」


 緩やかに身体に回っていた腕はとかれ、畳に髪が広がって。
 先程まで長義の内番服と銀の髪が視界いっぱいだったのに、今は天井とにやりと笑って見下ろす長義の顔。
「んっ…、長義ッ…」
「……さて、どうしてくれようかな」


「――――この状態でも、君を癒すことはできると思うけど?」







……他の本丸の男士と会ったら大変なのかどうかは知らんよ(笑)。
今適当に考えただけなので。

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