輝美の詩 
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想い       詩集「想い」掲載

        ハーブの種を蒔いた
      やっとのこと芽が出たと思ったら
      スコップで掘り返し
      砂場と化している
      豆の種もつまみ出されひからびている

      カッと胸の中が熱くなったが

      すぐに萎えてしまった
      スチロールの箱をのぞき込み
      かがんで
      でこぼこの表面を撫でてみる

      育児と家事の暮らし
      夢に描いていた幸せの中にいて
      息苦しさにもがいていたりする

      箱の中の土も種も砂場にまける
      その土でまた大きな山ができる
      得意そうな瞳をして
      富士山をつくると言う

      励ましながら笑っていた
      すごい!と驚いて見せたら
      はにかんだ笑顔が妙におとなっぽくて
      言葉に詰まってしまった

      秋のこぼれ種か
      砂場の片隅に
      小さな芽を見つけた

      小石を拾い集めて丸く囲む
      コスモスの薄紅の花を想いながら
                 上毛文学賞 佳作


    
ふうきもじ(ふきのとうのこと)                 児童詩集 くわねっこ群馬作文の会
                                                   啓子.片品村武尊根小学校四年.67年度作品


     ふうきもじをとりに行った。

     一つかみもとった。

     大きいのや

     小さいのや

     いろいろあった。

     もう花がさいているのもある。

     うちえもっていって

     おかあさんに見せた

     いちばん大きいのをとって

     においをかいだ。

     「ああいいにおいだ、
     春のにおいがする。」

     「そんなにいいにおいかい
     あたいにもかがして。」

     とにおいをかいだ。

     ほんと春のにおい。」


        シンデレラ        詩集「想い」掲載

      夕食後、気になっていた台所の掃除を始める
      雑巾を絞りながら
      わいてくる汗を拭き拭き夢中で続けた

      お母さんシンデレラみたい
      テレビを見ていたはずの娘が
      入口に立って、ぽつりと一言

      洗いざらしたTシャツに
      ひざの抜けたジーパン
      まるで主人公の灰かぶりそのもの

      おおかた運悪く
      魔法使いに出会えなかったシンデレラなのか
      もしれない
      やっぱり夢は夢なのか
      それでも味のある物語りになりそうな気もする  

      雑巾持って、床を這い回りながら
      いつか今度は娘たちの
      美しく変身する日を夢にみている

                      群馬詩人会議 夜明け 123号




小野
りんご
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