2004.■12月20日(月)
「長らくご無沙汰しました。」
書き始めはいつもこれ・・・・・
申し訳ないと思いつつも、医業もやっておるものですから・・・(言い訳になりません!)

新クリニックがだいぶ立体的になってきました。
建築の過程で一番感動するのは、設計図という2次元の世界が、正確に3次元の建物へと変貌していくところだと思います。
設計図を見ている限りではいくらイマジネーションを働かせても限界があるのですが、おもっても見なかった構築物が目の前に現れると、逆にそのパーツが凝縮された設計図というものが濃厚なスープのように感じられておもしろいものです。

團先生のインテリアデザインもようやく見え始めました。
有機的な曲線を持つ躯体の中は、白を基調とし、流行のヴェンゲ色を配置した、シンプルでスタリッシュな空間です。
全室の個室にはトイレが組み入れられ、患者様同士の交流をはかるカフェテリアからは緑の植栽が望めます。

特にアメニティサービスで力を入れているのは、アンケートから要望の多かった美容部門。
専門の美容師によるヘアケア、カット。(このために美容院開設許可もとります)
本場オーストラリアで修業を積んだアロマテラピストによる、産前産後の緊張を和らげるアロママッサージなど。

移転後も料金設定は変わりません。
入院日数はこれまでより、自由にご選択いただけるようになります。

オープンは来年5月1日。
4月29日に内覧会を予定していますので、皆さんお誘いあわせのうえ、ご来院ください。
詳しい日程は決まり次第HPでお知らせします。

 ※クリックすると拡大写真がご覧いただけます。



2004.■9月18日(土)
「そちらにかかりたいんですけど、どこに行ったらいいんでしょう?」

謎掛けのような電話を頂くことが多くなり、これはいかんっ!と半年振りに重い腰を上げた院長です。
先の院長通信で「新クリニックができる」と書きっ放しにしていたので、患者様には「移転したの?」「大病院を作るの?」「分院ができるの?」等々、余計なご心配をおかけしていしまいました。加えて現診療を行っている従来のクリニックのビルの1階のテナントが無くなったり、変わったりして、看板やビルの様子が様変わりしているので、余計に皆様に「????」と思われてしまったようです。
はい。
まだ従来の場所でちゃんと診療しておりますよ。
うちは何も変わっておりません。

8月18日(水)。
猛暑の中、関係者多数を集めて、新クリニック建設予定地にて地鎮祭が執り行われました。
緊急OPE直後、白衣のままで駆けつけた私も、「エイっ!エイっ!エイっ!」と鍬入れをしました。何度やってもこっ恥ずかしい儀式ですな、あれは。
設計側からハンサムな團氏、團氏の片腕とも言うべき清水さん。細かい打ち合わせをすべてこなし、雑草刈りまでいっしょにやったヨン様(?)はここまでが第一の大きな仕事でした。
それを受け継ぐ施工側から西松建設の面々、資金面で助力いただく銀行の支店長。関わる業者の人たち。
皆さんの顔を見ているうちに、だんだん大きなプロジェクトに踏み込んだんだなあという思いが実感として湧いてきました。

場所は現在のクリニックから1ブロック、駅から後退した場所です。
もとは青々としたブドウ畑だったと聞いています。
かつて芳醇な実りをもたらした土地が、今度はクリニックの土台となっていわば日本の実りとも言うべき新しい命を世に送り出す・・・・。私には単なる偶然とはとても思えず、この土地に何か因縁のようなものさえ感じます。
そこに團紀彦設計の斬新なデザインの構築が立ち上がっていく様は、想像しただけでもわくわくします。
・・・と自分だけで盛り上がっていても仕方ありませんね。
竣工は3月末、オープンは5月始めを予定しています。
あくまで移転で、分院ではありませんし、大病院になるわけではなく、現在の私のポリシーをできるだけ受け継いでいくよう「診療所」という単位は崩しません。「ひとりひとりに院長の眼が届く」にしじまクリニックであり続けたいと、心から願う次第です。


2004.■ 3月18日(木)
大学病院から当直に来た先生に、「院長通信、半年以上更新してないじゃないですか!」と言 われ、我に返りました。
BBSのにしじまマミーズにはちょこっと顔を出していましたが・・・。
ママたちが赤ちゃんと二人でおうちに籠らず、にしじまクリニックで出産したという共通項を通じて、広く関わりあいながら育児の悩みを相談しあったり、ゆくゆくはその中から人生の友に廻り合ったりできたらいいなあと思って設置したBBSでしたが、にしじまマミーズ達はは見事にその狙いを達成してくださり、今会合を持とうという計画で盛り上がっています。
私もちらちらその様子を眺めながら楽しませてもらってます。

さて、お耳に入っている方もいらっしゃると思いますが、にしじまクリニックはさらなる希望 と熱意を持って、クリニックを新築移転することが決まっています。
現在のキャパシティでは手狭になり、ビルを改装した施設では足りないところも随分あって、皆様にはいろいろとご不便、ご不満もあったかと思います。
「院長の目が全ての患者様に届くクリニック」という院長の従来の開業の主旨を変えることなく、ホスピタリティと施設の充実のみを向上させるため、大きな病院にはせず、これまでの診療所の枠は崩しません。(診療所は20床未満、それ以上は病院となります)
場所は現在より一区画駅から離れますが、1500坪という診療所としては広大すぎる土地を幸運にも得ることができ、現在、設計が進められています。
設計は数ある応募の中からコンペを経て、新進気鋭の團紀彦氏が担当することになりました。
※團紀彦建築設計事務所のHPはこちら
團氏は著名な作曲家である團伊玖磨氏のご子息で、現在では最も将来を期待されている建築家の一人でもあります。
何週間か前の「極上の休日」をご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。

そして「デザインはあくまで病院らしくなく、機能は最も病院らしく」という難しい院長の主旨に見事に応えたちょっと有機的で美しい建物が、團氏によって起き上がってきました。
そのうち模型の写真をご覧にいれましょう。
現在は團設計のスタッフが、クリニックのスタッフから現場の声を拾いながら個々の設備についての検討を重ねています。
そして退院の際に頂く皆様からのアンケートにもすべて目を通し、何より大事な患者様からの希望や感想も新クリニックへの指標とさせていただいています。
よい建物、特にクリニックについてはこの過程が何より重要なのだと思います。
工期が多少遅れてもこの過程にはじっくり時間をかけるつもりでいます。

これからこのHPで折に触れ、新クリニックの出来上がっていく過程をご紹介したいと思っています。

皆様、お楽しみに! 


2003.■ 7月8日(火)
「院長先生!HPの更新、もっとまめにやってくださいよ!!」
遂に入院した患者さんに暖かい叱責(Sさん、感謝!)を受けてしまいました。
本当に不精で申し訳ない!(ぼりぼり・・・頭を掻く)

最初、クリニックのご紹介という、どちらかというと消極的活用目的でスタートしたにしじまクリニックHP。
最近はベビーちゃんたちのご紹介コーナーにご両親のメッセージが加わり、だいぶ生き生きとした表情になってきたと思います。
でも肝心の院長からのメッセージが何ヶ月も更新されないでいるのは・・・・。
私の不徳のいたすところであります。

たった11床のクリニックでも、産婦人科というのは院長が一人で率いるには大変な体力が必要です。
24時間体制の産科を一人の医師が診るのは到底不可能なため、当クリニックでは夜間と休診日のお産は別な先生にお願いしています。
院長がひとりで患者様ひとりひとりに目を配る、という最初の概念が崩れてきたのではないか、と思われる方もいらっしゃると思いますが、これは院長がひとりで率いていくという主張をできるだけ崩さずにクリニックを存続させる窮余の策だということをご理解いただければと思います。
その代わり、普段の妊婦健診では、院長が皆さんひとりひとりの状態をしっかりと頭に叩き込むべく、お話をさせていただいています。
それでも1日に100人余の患者様を院長一人が診るので、診察時間が短くなってしまい、なかなか100パーセント満足していただけるようなお話ができないのが現状です。
そこを何とか少しでも補えたら、と院長通信を企画したのですが、これではね。

クリニックHP企画スタッフの間では、今度、にしじまクリニックに通っていらっしゃるプレママ、あるいはにしじまでもうお産を終えられたいわゆる卒業ママの横のつながりを、このHPの中で持っていただこうではないかというプランが持ち上がっています。
これまでのご紹介という消極的活用から一歩進めた積極的活用へと、このHPを変えていこうというわけです。
お産というのは、初めての方はもちろん、二度目、三度目の方でも不安がつきまとうものです。
それを患者様同士でおしゃべりをし合うことによって、少しでも補えたらな、と思っています。
もちろん、院長も顔を出させていただきますよー。
そのうち、試験的BBSを期間限定で設置しようと思っていますので、HPを訪れた方は参加してみてくださいね。
もちろん、院長通信も・・・(声が・・・小さく・・・)

鬱陶しくて妊婦さんやその他の患者様にはつらい季節ですが、がんばって乗り切っていきましょうね!
つらい時はがまんしないで、クリニックに相談してください。
それでは・・・。


2003.■ 3月8日(土)
更新がずっとできないでいた院長通信、久々の割にはミーハーな話題でお届けします。

いまや、ドラマの視聴率No.1らしいですね、「Good Luck!」。
医者にならなければパイロットになりたい(ならなくてよかった。体重制限軽くオーバーしてます、現在。)と思ったくらい、飛行機好きな私と、「いったいお前は何歳だ?」とツッコミたくなるくらい(怖くてできません。)キムタク大好きな家内と二人、毎週欠かさず見ています。
「Ride on Time」は我々が学生の頃、絶大な人気を誇った山下達郎が歌っていた懐かしい曲で、エンディングは夫婦二人で大合唱して見終わります。

「Good Luck」。 運を天に任せてどうする、キムタク!ちゃんと自分で操縦しろよ!というツッコミも週刊誌などから漏れ聞きますが、そこは人気ドラマ、出る杭は打たれる、とやり過ごしましょう。
しかし、この言葉ほど、私やスタッフに一番「ビンゴ!!」感を与えてくれる言葉を他に知りません。
赤ちゃんがこの世に生まれ出てきた時、その小さな命に「Good Luck!」・・・・幸あれ!と祈らずにいられる人がいるでしょうか。 我々はお誕生のその瞬間しかお手伝いすることができませんが、その赤ちゃんがこれから歩む長い道ができるだけ平穏で安らかであるよう、祈り続けて日々の仕事をしています。
こんなことをすれば、「ヘンな産院!」と言われてしまいますのでしませんが、赤ちゃんのお誕生の瞬間、私や周りのスタッフは、「Good Luck!」と心の中で親指を立てていることを忘れないでくださいね。


2002.■ 9月22日(日)
長く更新できなくてすみませんでした。
ワールド・カップ、ひど〜く暑かった夏、最近ではタマちゃんですか。
ことごとく、何か書こうと思いながら、更新に至りませんでした。

最近のクリニック情報を書いてみましょう。
お産を月50名で締め切らせていただいているせいか、クリニックのペースとしてはだんだん安定してきました。ただ、この締め切りというのも我々としては本当に辛い選択ですし、批判もあるところでしょう。これがあるために早々と半年先の予定日のために、大きなお金をご用意いただかなくてはならない。うちを選んでくださった方全員にお産をしていただきたいのに、僅かながらではありますがお断りをしなくてはならない。
もし、私が皆さんの立場であったなら、なんとご大層な、と思うでしょう。
そう、そんなにご大層なクリニックではありません。
しかし、代診の先生はいるにせよ、院長が一人でやっているクリニックでベッド数に限りがあることを考えると、無制限にお産を受け入れて、私の目指す「上質なお産」という目的が達成されるとはどうしても思えないのです。
ここは皆様のご理解をお願いするしかありません。

話は変わります。
最近診察をしていて、ほんとにご主人が奥様のご妊娠に熱心なサポートをなさるのをほほえましく思っております。
恥ずかしい話ですが、私自身は自分の実家での長男の出産には立ち会いましたが、女房の里で産まれた二男の出産時には立会いどころか、行方不明でした。(多分、医局の当直明けか何かで飲みに行っていたのかも)今のように携帯電話があるわけでもなく、女房は仕方なく産後30分で自分で公衆電話まで歩いて、私の実家の親に連絡を頼んだそうです。
今うちのクリニックにいらっしゃるご主人は全然違います。毎回の妊婦健診についてこられるのはもちろん、次回の予約のメモをとったり、なんとか両親学級に参加できるよう仕事の方を調節したり…。赤ちゃんの誕生を大切に、心待ちにしていらっしゃる様子がうかがえます。

一方、世間では親が子どもを殺めてしまうという痛ましい事件が多くなりました。
まだ何も一人では出来ない赤ちゃんをどう扱ってよいかわからなくなってしまうことは、新米ママにはよくあることです。自分が悪いのではなく、多かれ少なかれそういう戸惑いは誰にでもあるということを踏まえて、一人で悩まずに誰かに相談してみてください。
クリニックでも曜日を決めて育児相談を行っています。
お産に立ち会った育児経験のある婦長たちが相談に乗ってくれますので、是非壁にぶつかったらクリニックの扉を押してください。これまでにも何人もの方が訪れ、解決のヒントを見出しておられます。
クリニックで産まれた赤ちゃん全員が穏やかで幸せな人生を送ることが出来ますように。
そのために我々はこの仕事をしているのですから。


2002.■ 5月16日(木)
若葉の薫る美しい季節となりました。
「仕事が趣味。」と公言していた私の唯一の仕事以外の楽しみはゴルフです。
しばらく中断していたゴルフを再開したのは、開業して1年ぐらい経ってからでしょうか。
家とクリニックだけが行動範囲であった私の健康を心配した周囲に背中を押されての事でした

ゴルフ場も今が一番素敵な季節です。
芝生の柔らかい緑、周囲の木々のさわやかな緑。1ラウンドで10キロを歩きますから、スコアには関係なく、新緑を楽しんで、これだけでもよい運動になります。
クラブに通っていると、よく熟年のご夫婦と一緒にラウンドさせていただくことがあります。
子どもさんを育て上げ、なかにはお孫さんが何人もいらっしゃる方もおり、お互いお連れ合いの愚痴などこぼしながらそれでも楽しそうにお二人で周られています。
そこには長い時間を共有し、今ここにある穏やかな場面を楽しんでいる何ともいえない余裕が感じられ、半日を共にする我々までも幸福な気持ちにさせてくれます。
今はあまりゴルフに熱心ではない家内とも、我々もああいう風になりたいねと話します。

我が家も下の子どもがこの春大学に入学して一人暮らしを始め、夫婦二人の生活が始まったところです。
子どもはこのように早ければ18歳になると巣立っていきます。
親も子も70年余の人生があるとしても、そのうちでたった18年しか我々は親子として生活を共有することができない、バッティングする時間がないということになります。
この時間の中でどれだけの密度で子どもと接する事ができるか、子どもの人格形成の中でそれは大変影響があることだと思います。
私は大学病院勤務の間、ほとんど家のことにはタッチできませんでした。
子ども達が難しい年齢を迎え、トンネルの中を彷徨っている時も、なかなか真摯な気持ちを持って接してやる事が出来なかったと反省しています。
そのせいかどうかわかりませんが、うちの家族はかなりさっぱりした関係です。
まあ、それも悪くありませんが・・。

クリニックで新しい小さな生命を腕の中に抱いた時から、長い人生の中で最も親子の密度の高い「蜜月」が始まります。
その腕の中に抱かれた柔らかな感触を、精一杯愛してください。
たった20年程の蜜月を存分に楽しんでください。
そうすれば、子どもさんが巣立ったあとの”空の巣”を守る親鳥さんたちも、「やれることはやってきた。」という気持ちの余裕が持てるような気がします。
そして是非、ゴルフ場で我々が憧れているようなご夫婦になってください。・・・・といっても、我がクリニックの産婦さんたちには遠い先の話ですよね。
・・・・・・失礼しました。


2002.■ 3月 28日(木)

史上最速と言われる今年の桜前線があっという間に関東を通り過ぎていきました。

「いも安く ねられざりけり 春の夜は 花の散るのみ 夢に見えつつ」 新古今和歌集より

まさか夢にまでは出てきませんでしたが、咲いてしまうと散る時期が気になって仕方がありません。
昨日クリニックでもお花見を予定していましたが、あいにくの荒天。あえなく中止となりました。
皆さんはお花見、されましたか。

産院をしていての楽しみに、生まれたばかりの赤ちゃんにつける、ご両親の思いがこもったお名前を教えていただけることがあります。
このHPの「Hello、sweet Baby」のコーナーにも載っていますが、皆さん本当にきれいで素敵なお名前を考えられるものだと、いつも感心しております。
私の自分の子どもに名前を付けるときのことを考えると、なんだか適当につけてしまったような気がします。
特に二男は女の子だと私の父が言っていたので「碧ちゃん」という女の子の名しか考えておらず、大慌てで長男の時考えておいた中のボツネームの中から付けてしまいました。(二男よ、すまん!)
日本には前述の桜のように季節それぞれの風物があり、また日本語を形成する文字には美しい意味やニュアンスがあります。
赤ちゃんが生まれた季節や、ご両親の思いを最大限に表現できるたったひとつのお名前を考える作業も、日本という国にいればこその楽しみがありますよね。

2002.■ 2月 14日(木)
全く診療に関係ない話になります。
ここ2,3日、我が家はソルトレーク一色です。息子の受験もそっちのけ。
もともとスポ魂ものには涙腺が弱い方。連日、朝5時からリアルタイムで観戦です。
4年に一度のオリンピックには、スポーツの感動が凝縮されていると思います。
銀に終わったスケートの清水選手の「人間的」限界に挑む過酷な4年のトレーニングは、たった34秒で決着がつき、百分の三秒という差で、彼の気持ちが報われるか、報われないかに分岐していきました。彼の34秒の後ろに膨大で過酷な日々が横たわっているからこそ、我々はその姿に感動するのですね。

出産の感動もそれに似ていると思います。
妊婦さんは妊娠期間の36週、喜び、不安、希望の繰り返しで、出産の晴れ舞台に臨みます。
あるときは悪阻で苦しみ、妊婦さんの体重がどんどん減っていく。でもお腹の赤ちゃんはちゃんと体重が増えていく。
そんなとき、「自分の血肉を分け与える」という表現が、私には特別な意味を持って浮かんできます。
そうして新しい命をこの世に誕生させたときのお母さんの気持ちは、傍でお手伝いさせていただく私にもスタッフにもよく伝わってきます。

私がオリンピックにハマる訳。
それはみなさんによって、毎日この感動を分けていただいているからかも知れません。


2002.■ 2月 1 日(金)
少しずつ、少しずつ、日が長くなってきたのを感じますが、1年で一番寒さの厳しい時期です。 クリニックにもここ数日、インフルエンザや、風邪で胃腸の不調を主訴に来院される患者さんが急増しています。
これらの症状は普通の方でも辛いものですので、特に妊婦さんなどの場合は不安も重なってどんなに辛いであろうとお察しいたします。
インフルエンザはそれでも去年、治療薬が日本でも認可され、感染後できるだけ早くそれを使うことによって、症状も軽くすみ、治癒も早くなりました。おかしいなと思ったら、できるだけ早くご相談ください。
インフルエンザも大流行ですが、先日初めて私のPCが大流行のウィルスにやられました。
自然の中に存在するインフルエンザのウィルスとは異なり、これは人為的に作り出されたものですから、迷惑な話です。
ただ、前者がその分特効薬を開発するのに長くかかったのに対し、後者は人が作ったもの、駆除も比較的容易、迅速にできるようです。
ともあれ、ウィルスにはそれを寄せ付けない心構えが一番。保温、保湿に気を配り、人込みにはできるだけ出かけないようにしましょう。
妊婦さんはもちろん、受験生のいるご家庭(実は我が家もです。)なども、ここしばらくはご用心。
梅の花がほころび始め、早や立春。春は確実に近づいてきていますから。


2002.■ 1 月 6 日(日)
皆様、明けましておめでとうございます。
穏やかな新年を迎えられた事と思います。
クリニックの方で私も昨年は700人近くのベビーのお誕生に立ち合わせていただきました。
飛ぶように過ぎた昨年1年間ではありましたが、開院3年め、いろいろな意味でクリニックのあり方が変化し、私自身も考える事の多かった年でもありました。
当初4床で始めたクリニックが患者様の増加に従い12床へと増床し、スタッフの増員、設備の補充に追われ、最後は院長私自身の体力勝負となったため、休日、夜間は代診の先生をお願いし、診察もできるだけスピーディにこなす努力をすることとなりました。
それが一部の地元HP掲示板の中で、「診察が丁寧でなくなった」というように書かれ、大変苦しい思いもいたしました。
確かに私が目指したのは、クリニックで誕生するベビーすべてに私の目と手が届く規模の産院でした。そしてその思いは今も全く変わっていません。
それなら最初の規模を変えなければ良いのではないか、と思われるかも知れません。
しかし、最初の規模でやっていくには、かなりの数の患者様の来院をお断りしなければなりません。患者様は病院を選べても、医者が患者様を選ぶ事は出来ないのです。
いらっしゃってくださる方をできるだけ受け入れ、しかも一人の院長の目が患者様全体に届くようにと考えた結果が現在のクリニックの形なのです。
一人の院長の目は必ず届く範囲で、しかし院長の(だいぶガタのきた)体力を持続させるための手を借りる。また、到底無理な数の出産数を引き受けるのは重大な事故にも繋がりかねないので、予約の段階で制限させていただく。スタッフ達といろいろ話し合って出した結論は、理想を掲げた私自身には断腸の思いにも似たものでありました。
最近はこのクリニックの姿勢をよくご理解いただいた患者様がいらっしゃってくださるようになり、診察、分娩ともにスムーズに進行するようになってきたと思います。ただ、両親学級だけはスペースがないため、皆様にはご迷惑をお掛けしております。こちらもなんらかの改善策をできるだけ早い時期に打ち出したいと思っております。
クリニックは5日から始まりました。
今年もがんばりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

最後に私事ですが、昨年暮に愛犬を亡くしました。
胸の中の大事な部分をもぎ取られたような日々の中に、かかっていたペットクリニックからは丁寧な主治医直筆のお悔やみの手紙が届きました。
命に向き合う職業の原点に返った一瞬でした。


2001.■ 12 月 13 日(木)
院長一人が診ているクリニックではありますが、院長も生身の人間です。
時にはお休みをいただかないと、診療続行不可能になってしまいます。
休日や夜間の分娩は主として当直医が立ち合います。
また、緊急性がない場合の、夜間、時間外の診療はご容赦ください。
ずっと経過を見てきた患者様すべてのお産に立ち会えないのは院長としてもとても残念ですが、ご理解を是非お願いいたします。


2001.■ 12 月 2 日(日)
クリニックでは全室個室で12のベッドがあります。
ですから分娩数は月に50例ほどしか行えません。
それ以上のお産をお引き受けすると、今度は医師やスタッフに負担がかかりすぎ、設備も追いつかないため、ひいては入院したかたがたにご迷惑をおかけすることになってしまいます。
そうならないよう、月の分娩数は予約が50例に達し次第、制限させていただいています。
また、満床の場合は、普通ご希望であればしていただける延泊もご遠慮いただくこともありますので、患者様相互のご理解、ご協力をお願いいたします。


2001.■ 11 月 22 日(木)
にしじまクリニックは院長がひとりで診察にあたる、12床の小さなクリニックです。
新生児も院長が診ています。小児科医はいません。
また、外来も混み合いますので、診療時間は限られたものとなってしまいます。分娩や緊急手術が入れば、外来の進行はストップしてしまいます。
診察時間が短く、聞きたいことが聞けなかったりして不安に思われる方もいらっしゃることでしょう。
そのようなご不安ををできるだけ無くす方法として、クリニックでは聞きたい事を前もってメモしてきてくださるよう、患者様にお勧めしています。
このような質問事項やそれに対する回答、または新しく覚えたことなどをノートに書きとめると、それはおひとりおひとりの素敵な妊娠記録にもなり得ます。
この方法はクリニックに勤務するスタッフたちにも職務内容についての記録を書かせ、職務を確実に遂行する手段として有効に活用しています。


2001.■ 11 月 12 日(月)
にしじまクリニックは小さいのですぐ満床になってしまいます。
したがって主立った広告、宣伝は出していません。
しかし、この情報化時代においては、先ず病院サイドから患者様に向けて自己の姿勢を発信していくことが不可欠と考え、このHPを開設するに至りました。
ですからこのHPでは単なるインフォメーションに終わらず、院長としての生の声を皆さんにお届けしたり、当クリニックで誕生されたかわいい(産声…はお届けできませんが)ポートレートをご覧いただけるようにしたいと思っています。
訪れてくださった皆さんにも、きっとそのベビーのパパ、ママの喜びが伝わることでしょう。


2001.■ 11 月 1 日(木)
にしじまクリニックのHPへようこそ。
当クリニックは、院長がひとりで診療している12床の小さな産院です。
このクリニックを開業した私の主旨は、「Message」のページをお読みいただければおわかりいただけると思います。
本音を言ってしまえば、医師ひとりで産院を運営していくことは、本当に大変です。
お産は時を待たずにやってくるものですから、12人の妊婦さんしか入院していないとはいえ、そのお産を一手に診ていくひとりの医師にとっては24時間365日、気を抜く暇がないということです。近年このような小規模の産院が少ないのはそのためです。
でも、長い妊娠期間を共に歩んで、ご自分の満足のいくお産ができた患者様の、ベビーを抱いたこぼれるような笑顔を見るたび、このクリニックを開いて本当によかったと思います。
開業して3年。このクリニックで産声をあげたベビーも 1500人になりました。そのひとりひとりの歩みの確かさを感じつつ、毎日また新しい命の誕生に立ち合わせていただいています。




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